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月を望む文化~日本の十五夜とアジアの風習~

日本の秋の風物詩といえば、美しい満月を望む十五夜。
十五夜は旧暦の毎月15日に月を鑑賞しながら、その年の収穫などに感謝をする日本の伝統行事で、ススキを供えて月を眺めながら月見団子を食べるという風流な催しです。
旧暦とは中国式の月の動きを基準とした太陰太陽暦のことです。この旧暦に基づいて行われる十五夜は中国の伝統文化「中秋節」に由来します。中秋節は、中国では中華三大節のひとつとして春節(中国の旧正月)、清明節(日本のお盆のように里帰りやお墓参りをする)と並ぶビッグイベントです。

日本で、単に十五夜といった場合は、中秋の名月をさすことが多いですが、「中秋の名月」は旧暦8月15日の夜に見えることを指します。
言い換えると、十五夜は毎月来るもので、中秋の名月は年に一回だけという違いがあります。

今回のコラムでは、日本、中国、韓国、ベトナムの十五夜ついて解説します

その源は中国から

十五夜とお月見の由来は、中国がはじまりです。日本では最初、月をみて楽しむだけでした。
次第に稲(お米)が無事にできたことを喜び、感謝するようになったと言われています。
今では、一年で一番月が美しく見える季節に月をみながら秋の収穫物に感謝する日、という意味でお月見をするようになりました。

日本に広まったのは平安時代から

古来から月を愛でる風習は日本にもありましたが、十五夜のお月見が広まったのは「平安時代」
当初は、貴族の間でお酒の杯に映った満月を眺めたり、月の和歌を詠んだり、娯楽として楽しむお月見が流行っていました。
江戸時代には庶民にも広まり、秋の収穫祭とともに月見団子を供えてお月見を楽しむようになりました。

お月見っていつなの?

2023年は9月29日です。ちなみに、2024年は9月17日、2025年は10月6日になります。
このように、日にちにズレが生じるのは、暦が関係しています。

太陽の動きを基準とする新暦の太陽暦は1年を365日と数えますが、旧暦の太陰太陽暦では1年を354日と数えます。
そのため11日間ずれることになり、毎年のように十五夜の日にちが異なるようになりました。

中国:月餅と嫦娥(じょうが)の伝説

月餅の起源と意味

薄皮でなめらかなあんを包んだ、中国の伝統菓子「月餅」
諸説ありますが、春節、清明節、端午節と並ぶ中国の四大伝統行事のひとつ「中秋節」のお供え物として作られたのがはじまりだと言われています。
月が最も美しく見える季節である秋半ばごろ「家族の輪・円満」の象徴として親しまれている満月を愛でながら、一家団欒のひとときを楽しみます。
そんな中、秋節に欠かせないのが、満月のように丸い形をした月餅
地域によってはスイカやカキ、ブドウ、スモモといった丸形の果物や、月餅に似た焼きパンを用意することもあるのだとか。
放射状に均等に切り分けた月餅を家族でいただきながら、一族の繁栄と幸福を祈るのだそうです。

嫦娥(じょうが)の女神伝説

昔々、10の太陽が一度に空に現れ、大地は灼熱地獄と化しました。
そこで羿(げい)という弓の名手が9つの太陽を次々と射落とし、最後に残った太陽に、決まった時間に昇り、沈んでいくことを約束させ、人々は平和に暮らせるようになりました。
羿の名前は天下にとどろき、彼は嫦娥(じょうが)という娘を娶り、幸せな生活を送っていました。
ある日羿は、西王母(中国の伝説の女神)に不死の薬をもらいました。
ところが、嫦娥(じょうが)がその薬を飲んでしまい、月へ舞い上がってしまったのです。8月15日のことでした。
悲嘆にくれた羿は、嫦娥を想い、毎年8月15日になると、庭に嫦娥が好きだった果物などを置き、月を眺めて彼女をしのびました。
それが世間に広まり、「中秋節」になったと言われています。

韓国:秋夕(チュソク)

秋夕(チュソク)とは、旧正月(ソルラル)と並ぶ代表的な韓国の名節で「ハンガウィ」とも呼ばれます。
毎年秋夕当日(旧暦8月15日)とその前後1日ずつが祝日となります。
家族が集まり、共に食事を楽しむ時間や先祖への敬意と感謝の気持ちを表すことが大切にされる韓国では、親戚一同が故郷に集まって先祖の墓参りをしたり、秋の収穫に感謝したりする重要な行事です。
そんな秋夕に欠かせないのがソンピョンというお餅。
家庭ではこのソンピョンをたくさん作って食べるのが慣わしです。
秋夕のときに作るソンピョンは、その年にとれた早生の新米と穀物で作ることになっています。
1年の収穫を祝うとともに、ご先祖様に感謝を込めて墓前や祭祀膳にお供えするという意味があります。


ベトナム:テト・チュン・トゥー

日本でいう十五夜にあたる「中秋節」を、ベトナム語でテト・チュン・トゥーと言います。
中国から伝わった節句ですが、ベトナムでも月を愛でる日とされ、お月見や豊作を感謝する伝統的な風習で、旧暦の8月15日に行われます。
中秋節の主役である子供たちは、おもちゃや提灯、仮面などをもらいます。
9月から10月にかけて行われ、獅子舞が披露されたり、ランタンが飾られ、楽しい一日となります。
多くの家族は庭に集まってお茶やお菓子を並べ、月を眺めたり、踊りや演奏を楽しみます。
ベトナムの中秋節に行う風習は灯籠や獅子舞が挙げられ、今では子供のための日として伝統が受け継がれています。
古くから大切にされてきた数々の風習はもちろん、時代が進み、より新しい形での風習も生まれています。

まとめ

中秋の行事は、各国で異なる文化や風俗が楽しまれています。
月を中心にした祭りは、家族の絆や収穫の喜び、先祖への敬意など、人々の心を温かく結びつける素晴らしい機会です。
次の中秋の季節には、これらの行事を自分たちの家庭でも楽しんでみてはいかがでしょうか。
月と共に祝う季節の魅力を、心ゆくまで味わいましょう。

日本には、月の光に包まれながら、食事を楽しめる場所がたくさんあります。
是非、この機会にその様な場所を訪れ、日本のお月見の風習を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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