日本の夏の祭
2024.07.25
みなさんこんにちは。いかがお過ごしですか。
日本の夏は、湿気が多く体力を奪われてしまいそうな暑さですが、そんな暑さも吹き飛ばしてしまうほどのお祭りが日本にはあります。
今回は、そんな日本の夏のお祭りをご紹介してまいります。
◆博多祇園山笠(はかたぎおんやまかさ)
博多祇園山笠は、福岡市で毎年開催され、来場者300万人を超える伝統的なお祭りです。このお祭りは、歴史は古く1241年に起源を持つといわれています。
福岡市の櫛田神社の祭礼として始まりました。最初は、櫛田神社の祭神を祀るため、そして地域に流行していた疫病を祓う目的で行われました。
神輿をかつぐ行事から、次第に現在のような競走形式へと発展しました。
江戸時代には、博多祇園山笠は地域の祭として定着し、この時期から飾り山笠が登場します。
飾り山笠は、芸術作品としても高く評価され、地元の工芸品である博多人形で飾られることが多くなりました。
祭り期間中、博多の町中に豪華な飾り山笠が展示されます。高さが約10メートルにも及び、伝統的な日本の歴史や神話、
現代のポピュラーカルチャーをテーマにした壮麗な装飾がほどこされます。
博多祇園山笠では「オッショイ!」と「オイッサ!」という掛け声があります。
「オッショイ!」は環境庁認定、「残したい”日本の音風景百選”」日本音風景検討会選定に選ばれています。
博多祇園山笠は力強い動きと速さが特徴です。かけ声は勢いとエネルギーの象徴です。「オッショイ!」は、力強く祭りのリズムとテンポを保ちます。 「オイッサ!」はリズミカルに発音され、祭りのエネルギーを引き出します。 山笠を担ぐ際に使われるかけ声で、力を合わせて山笠を動かす時に使われます。テンポよく繰り返されることで参加者の呼吸がひとつになります。
祭りのクライマックスの早朝に行われる追い山笠は、速さと力の競技として知られています。男性たちが、山笠担ぎ伝統的な装束を身に着けます。
重さ約1トンの山笠を担ぎ、約5キロメートルのコースを猛スピードで駆け抜けます。
山笠をかつぐ時には、囃子(はやし)と呼ばれる伝統的な音楽が演奏され、祭りの雰囲気を盛りあげます。
博多祇園山笠は、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
また、UNESCOの無形文化遺産として文化的価値は国際的にも認められています。
地元の人々が一丸となって祭りの準備と実施に取り組む、博多祇園山笠は若者から高齢者まで幅広い年代が参加します。
毎年多くの観光客が訪れ、国際的な観光客をも惹きつける大規模な祭りに成長しています。
◆八戸三社大祭(はちのへさんしゃたいさい)
八戸三社大祭は、青森県八戸市で毎年開催される豊作を願ったお祭りで、およそ300年の歴史を持つ伝統的な祭りです。期間中、100万人を超える人が訪れます。
八戸市の三つの神社が、それぞれ地域の守護神としての重要な役割を担っていたため、それぞれの神社の神々に奉納される形で開催されていましたが、
その三社のお祭りが自然と結びついて大祭となりました。
八戸三社大祭は、地域の繁栄を祈るために始められたと言われています。年月を経て、祭りは豪華で規模の大きなものへと発展しました。
祭りの最大の魅力は、色鮮やかで精巧に装飾された山車と神輿(みこし)の巡行です。特に、山車は高さ10m・幅8mの山車27台が列をなします。
地域の伝統的工芸技術の粋を集めたもので、熟練の職人によって作られます。歴史的、伝説的な人物や場面が描かれ祭りの期間中、市内を練り歩きます。
明治時代以降、祭りは組織的に運営されるようになり、多くの伝統的な芸能が加えられるようになり山車の芸術的価値はさらに高まりました。
2004年に「八戸三社大祭の山車行事」として国の重要無形民俗文化財に指定され、また、2016年にはユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」に登録されました。
八戸三社大祭は八戸市の夏の重要なイベントの一つです。伝統的な要素を保ちつつも、新しい試みを加えることで、多くの人々に親しまれています。
◆秋田竿燈祭〈あきたかんとうまつり)
秋田竿燈まつりの起源は古く270年の歴史を持ちます。毎年8月に秋田市で開催される日本の伝統的なお祭りです。
このお祭りの主な目的は、病魔や邪気などを追い払い豊作を祈ることにあります。また、秋田竿燈祭は独特な「竿燈(かんとう)」と呼ばれる道具で知られています。
秋田竿燈は1996年に国の重要無形民俗文化財の指定を受けています。また、2016年には「山・鉾・屋台行事」のひとつとしてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
竿燈は稲穂に見立てたもので、大きな竹製の竿燈に数十個の提灯を吊りさげ、提灯には、長寿や豊作を表す役割も果たしています。
祭の見どころは長さ12m、重さ50㎏もある竿燈を巧みに操る技術です。参加者が竿燈を頭や肩、腰で支えたり、回転させたりする技術が見ものです。
数百個の提灯が一斉に灯されたときの美しさは、とても幻想的です。
そして、お祭りに欠かせないのが掛け声です。竿燈を持ち上げるタイミングや動作のリズムを合わせるために使います。「ドッコイショー!、ドッコイショ!!」と声がかけられます。皆が協力し合い、華麗に運ぶために欠かせないかけ声です。参加者たちの気持ちが一つになります。
夜には提灯の柔らかな光が夜の秋田市を彩り、祭りの雰囲気を一層盛り上げます。
多くの参加者が一斉に竿燈を担ぎ、練り歩く様子は壮観で、力強いドラムの音と共に、人々を祭りの世界へと引き込みます。
◆日田祇園祭(ひたぎおんまつり)
日田祇園祭は、大分県日田市で毎年7月に開催される伝統的な祭りです。
この祭りは、約300年の伝統を誇るお祭りで、日田市内の各地域で山車や提灯行列、太鼓の演奏などの行列が特徴です。
疫病や風水害を払い安泰を祈念するお祭りとして、盛大に祈念することを目的としています。
見どころは、 各地区がそれぞれの山車(だし)や提灯を誇示し、街を練り歩きます。太鼓の迫力ある演奏や、神輿が街を巡行する様子も見どころです。
豪華絢爛な装飾や伝統的なデザインが見られます。
祭り期間中、夜には山車の提灯に明かりが灯り日高の町を彩ります。祭りの会場では、日田の地元料理や郷土料理が楽しめる屋台も出店します。
地元の食材や料理を味わいながら、地域の文化に触れることができます。
日田祇園祭は、「日田祇園の曳山行事」として、平成8年に国の重要無形民俗文化財に指定されています。また、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」としても、登録されています。
日田祇園祭は、日田市の夏の風物詩として、豊かな伝統と魅力的な行事が地域住民や観光客にとっても楽しみな行事です。
◆仙台七夕まつり
仙台七夕まつりは、宮城県仙台市で毎年8月に開催される伝統的な祭りで、日本全国で行われる七夕祭りの中でも、特に規模が大きく、東北三大祭りのひとつです。
もともと七夕は旧暦の7月7日に行われるお祭りで、織姫と彦星が年に一度だけ会えるという伝説を祝います。
しかし、旧暦の7月7日は新暦では8月にあたり仙台七夕まつりは8月6日から8日に行われています。
仙台七夕まつりの歴史は江戸時代にさかのぼり、伊達政宗公の時代から続く日本一の七夕まつりです。
仙台市内で開催され、例年200万人を超える来場者が訪れるこのイベントは、仙台市の夏の一大イベントです。
祭りの最大の特徴は豪華な七夕飾りです。仙台の商店街や街角には、竹に吊るされた色とりどりの短冊や吹流し、折り鶴、紙衣などが飾られます。
長さ3メートルから5メートルの吹き流しは、街の商店街の上部に横断幕のように吊るされ、風に揺れながら華やかな装飾として飾られます。
色とりどりの和紙や布が、風になびくような軽やかな動きが見られます。
・仙台七夕まつりの7つの飾りがあります。
1. 吹流し(ふきながし):吹流しは、流れるような形状の飾りで、水の流れを表現しています。健康と長寿を願う象徴と商売の繁栄と家内安全を祈る意味も込められています。
2. 短冊(たんざく):短冊には人々が願い事を書き込みます。色とりどりの紙に願いを記して竹に吊るすことで、願いが天に届けられるといわれています。
3. 折り鶴(おりづる):折り鶴は平和の象徴です。戦後の日本で有名になった折り鶴は、世界平和や家庭内の平和を願うためです。
4. 紙衣(かみごろも):紙衣は、紙で作られた着物の形をした飾りです。服飾で成功を収めたい人や、健康と幸福を願うためです。
5. 巾着(きんちゃく):巾着は金運向上や商売繁盛を願います。
6. 投網(とあみ):投網は豊かな漁獲と海の恵みを願う飾りです。仙台の海に面した地理的特性で、安全な海上活動と豊富な収穫を願うために飾られます。
7. くずかご(くずかご):くずかごは、くずや不要なものを捨て去り、身の回りの清潔や心の浄化を象徴していて、良いことが訪れるよう願います。
7つの飾りは仙台七夕まつりのもので、それぞれの飾りが持つ意味は、参加者や観客にとって祭りの楽しみをさらに深めています。
祭りの期間中は街全体が美しい飾りで彩られ、その華やかさと意味深さが、多くの人々を惹きつけます。
◆よさこい祭り
よさこい祭りは1954年、高知県発祥のお祭りです。踊り子たちが鳴子を鳴らしながら市内を舞い踊る夏のお祭りです。
1950年代の日本は戦後の復興期にあり、地元の商業活動を活性化させる目的で、地元商店街の有志によって創設されました。
高知の伝統的な祭りである「阿波踊り」に触発されつつも、より自由な形式で参加できる新しいスタイルのお祭りとして企画されました。
よさこい祭りの特徴は、伝統的な日本舞踊と現代的な要素が融合したダイナミックな踊りで、参加者たちは「よさこい鳴子」と呼ばれる特有の鳴子を使って踊ります。
カラフルで個性的な衣装を身にまとい、生き生きとした音楽とともに踊ることが特徴です。前夜祭では県内最大級の花火大会も行われます。
鳴子(なるこ):鳴子は、元々は古典的な日本の楽器で、踊りにリズムと特別な音色を響かせます。木製やプラスチック製の小さな板が数枚連なり、握って振ることでカチカチと音を出す楽器です。
踊り・音楽・衣装:踊りは、伝統的な日本舞踊の振り付けから始まったそうですが、現在はダンスを融合したスタイルです。
音楽は伝統的な日本の太鼓、笛、鐘を基本としつつ、現代的な楽器やジャンルも取り入れています。衣装も着物をアレンジしたものから、完全にオリジナルのデザインまで様々です。
そして、よさこい祭りでは、踊りを競うコンテストが行われます。技術、創造性、衣装、団結力など、さまざまな要素で評価されます。
初めてのよさこい祭りは、わずか21チーム、750人の参加者から始まりましたが、その後、踊り子の人数は1万5000人を超え、日本全国各地で行われるようになりました。
さまざまな地域で独自のバリエーションで行われ、地元の文化や特色を反映した衣装や音楽で開催されます。
さらに、よさこい祭りは世界へ広がり、世界各国でよさこい祭りのスタイルやイベントが開催されるようになりました。
エネルギッシュで情熱溢れるよさこい祭りは、社会を活性化させ、伝統文化を次世代に伝える役割を果たしています。
それぞれの地域が持つ独自の特色を活かし、多様な文化の発展に貢献しています。
生き生きとしたエネルギーと創造的な表現は、多くの人々に喜びと感動を与えています。
まとめ
いかがでしたか。日本のお祭をご紹介してまいりました。
感謝の思いや願いを込めた、さまざまなお祭りがありましたね。
礼儀正しく、控え目といわれる日本人ですが、いったいどこにそんな情熱と力が隠れていたのかと思うときがあります。
人々の躍動感溢れる姿、漲るパワー、そして団結の力は、国や人種を越えて新しい風を吹かせるのではないかと思えてなりません。
そして、お祭りは日常生活の心を、新たにするという節目のようにも思います。
新しい明日を迎えるために「オイッサ!」
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